2016年11月26日

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女性議員が少ないことの何が悪いの?

三浦まり(上智大学教授 / 政治学)


日本の女性議員比率は衆議院で9.5%。これは193カ国中157位という低さです。世界平均は今や22%。参議院は20%となって、世界平均に追いついてきましたが、衆議院や地方議会では女性が極端なまでに少ないのが現状です。

 

これの何が悪いのでしょうか?女性が少ないことが自然の結果であると考える人には、問題がないように見えるかもしれません。でも、9割の男性が物事を決めているということが、本当に自然なことでしょうか。妊娠・出産に関する政策もセクハラ禁止の規定も、男性9割の状況で決められているのです。当事者である女性には納得できる状態ではありません。たとえば前立腺ガンという男性特有の病気に関する政策を、女性9割で決めたとしたら、男性だって違和感を感じると思います。

 

わたしたちの社会には、実にさまざまな人びとが暮らしています。抱えている問題も、経験してきた事柄も、見えている社会のありようもさまざまに異なります。社会の多様性を反映した議会でなければ、わたしたちの声が十分に政治に届けられることはないのではないでしょうか。

 

能力のある女性は政治家になっているのだから、女性がもっと努力すればいいという人もいます。しかし世襲の蔓延する政治家の世界が能力で選ばれた結果つくられたものであるとは考えにくいですし、女性の能力が総じて男性よりも劣っているというデータが存在するわけでもありません。だとすると、女性が政治家になりにくい仕組みが存在していると考える方が、むしろ自然ではないでしょうか。

 

投票所に行って投票したい候補者がいないのは、政党が魅力のない人しか擁立していないからではないかとも考えられるわけです。女性候補者が少ないのも、政党が積極的に探そうとしない、養成しようとしていないからだという現実があります。

 

女性は政治家になりたがらない、という人もいます。確かに、政治家という職業はワーク・ライフ・バランスが図りにくいものです。でもそうだとしたら、選挙の仕組みや国会のあり方を変えて、家族をケアする人も政治家になれるようにすればいいはずです。仕組みなら変えることができるのですから。

 

政治はわたしたちの暮らしや人生をよくするためにあります。女性議員が増えれば、政治に多様性をもたらすことができます。逆に言えば、政治に多様性をもたらすような女性議員の増やし方を、真剣に考えていくことが必要なのです。

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